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00の世界を借りて、いろいろ書き散らしています
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 前回の続きです。今度はスメラギさんのターン。
 アレルヤがらみ、というよりは、「スメラギさんの心理はきっとこういうのだろう」という、管理人の妄想。

 今夜ティエリア編もアップしたいのですが、どうなるかなあ;

 というわけで、スメラギさんのお話。短いです。



 祭の後 02  ~スメラギ・李・ノリエガの場合 



 祭の後 02  ~スメラギ・李・ノリエガの場合




 飲ませたくはなかった、とスメラギ・李・ノリエガは思った。先ほどスメラギの部屋を辞した、二十歳になったばかりのガンダムマイスター、アレルヤ・ハプティズムに。
「飲みたい」と言った彼に、未成年であることを盾に取り、酒を飲ませることを強固に拒んだつもりだったが
(誕生日だって・・・。タイミングのいい)
 本当のところは、どうだかわかったもんじゃない。彼の過去を考えれば、真実は闇の中だろう。
 それとも今日を誕生日にしたかったのか。
 彼がそこまで言うのであればと、さすがにストレートは気が引けて、ロックでスコッチを突きつけた。初めての酒にしてはかなりきついそれを、振り切るようにあおった彼。
 せめて水割りにしてあげたらよかったか、と思う。部屋を辞すとき、かなりふらついていた。
 グラスを持つ手を目の高さに持ち上げ、氷が揺らす琥珀の液体を、焦点の定まらない目で見つめる。
「何故こんな苦いものを・・・」と顔をしかめた彼の顔を思い出し、苦笑する。
 諦念をこめて「そのうちわかるわ、必ずね」と告げたけれど。
 本当は酒の味なんて、わからなくていい。
 虚しいだけの酒なんて。
 スメラギは琥珀を一気にあおった。空になったグラスを持ち、グラスの縁で指を遊ばせる。
 苦しい記憶を、ひとときだけでも忘れられたらいい。けれど
「忘れられないわよ・・・」
 あの事件の瞬間から、忘れることは許されなくなった。
 傷にかさぶたができそうになるたびに、剥がし続けること。それが彼女の贖罪。
「忘れたいのよ・・・」
 力が抜けて、デスクにひれ伏すように身体を預ける。グラスが指から滑り落ち、床に転がった。
 90度傾いた視界に、アレルヤが残していったグラスが目に入る。律儀にも空にしていったそれを見る目が、ゆっくりと閉じた。



 眠りに落ちる瞬間に去来したのは、過去への決別を告げた青年への、羨望と嫉妬。


 

 end

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