00の世界を借りて、いろいろ書き散らしています
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11話の感想SSです。
11話の幕間劇を、アレルヤ中心に、トレミーのメンバーをからめて短編をアップしていく予定です。
しかしいつも思いつきで書いているので、人物に統一感がありません。読んでくださる皆様、本当にすみません。そして、ありがとうございます。
TV感想と御礼ごあいさつは、また今度あらためて。
11話幕間話。「inconsolable」の続きです。
アレルヤと刹那。
祭の後 01 ~刹那・F・セイエイの場合
祭の後 01 ~刹那・F・セイエイの場合
「刹那・・・どうしたの」
戸惑う声を無視し、刹那はアレルヤをやわらかく抱きしめて頭をなで続ける。中腰のアレルヤが身じろぎした。
「ねえ、ほんとうに、どう・・・」
「黙れ」
ぴしゃりと言うとアレルヤが口をつぐんだ。
展望室で誰か言い争っている、と思い足を向けた刹那が目にしたのはアレルヤ一人で、彼はひどく傷ついた顔を一瞬のうちに取り繕った。
「かがめ」と衝動的に告げる。身体を引き寄せてやわらかく抱きしめ、額にキスを落とすと、頭をなでた。
腕の中の身体がこわばったが、かまわず続ける。
狂信的なまでに教義をたたき込まれ、神の意志に背くことを罪としていたから、仲間の中で泣く奴はいなかった。
正確に言えば泣けなかった。泣けば不信仰者として粛正されたから。
粛正は仲間の手で行われる。昨日まで隣で眠ったり食事をしていた仲間を手にかけろと言われ、拒否すれば自分も粛正の対象となる。遂行すれば祝福。
くりかえせば誰でも、泣く奴に何の感情も抱かなくなる。
涙こそ見せていなかったが、腕の中の男はさっき泣いていた。そしてたぶんあのとき、人革連の攻撃を辛くも退けた後、メディカルルームの前で刹那を出迎えたロックオンも、刹那を抱きしめながら、きっと泣いていた。
泣く奴なんてどうでもよかったのに、衝動的に抱き寄せてしまった。
なぜだかそうしてやらなければいけない気がして、自然に身体が動いた。それが自分にはひどく納得できる行動で、同時に全くわからない感情だった。
アレルヤをやわらかく抱きしめて額にキスを落とし、頭をなでたとき、あのときのロックオンの抱擁の意味について、ふいに納得した。
そういうことだったか。まったく、どいつもこいつも。
ややあって身体を離し、戸惑うアレルヤに
「ロックオンのかわりだ」
と言い残し、刹那は展望室を後にした。
end
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