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00の世界を借りて、いろいろ書き散らしています
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新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 今年の第1弾はまさかのケロA&外伝ネタ

 投石覚悟でお送りします。

 外伝ネタはやらないって以前書いていたのに、ケロAで萌え萌えしてしまい、気がついたら書いてました。ほんと、どれだけイタイのか・・・。
 ケロAの詳細は、下の記事を参照してください。

 強引に捏造したのですが、現代パラレルの方がよかったんでしょうか。
 
 新年なので、甘甘アレティエ。ティエはデレデレで。
 ロク刹はデフォルトです。


 sweet,sweet
 



 sweet,sweet



「いちご大福?」
「そう。なんか、ティエリアの事を考えると、食べたくなるんだと」
「いちご大福ってあれか?東京に行ったときに食ったやつ?」
 ロックオンがイアンからアレルヤに視線を向ける。アレルヤがコンソメスープを口に運びながら、うんうん、とうなずいた。


 今や全世界の軍事勢力が血眼で追い求める機動兵器ガンダムの拠点、ソレスタル・ビーイングの輸送艦であるプトレマイオスの食堂で、ガンダムマイスター二人とメインメカニック一人が、目下顔をつきあわせて話す話題は何故か「いちご大福」である。
 3人で食事をしながら、イアンが先日、ソレスタル・ビーイングのどこぞに技術指導に赴いた際の話をしていたのだが、そこでガンダムマイスターの話題になった時、とある女性が、イアンにそう言ったらしい。
「ティエリアの事を考えると、いちご大福を食べたくなる」


「いちご大福、ねえ・・・」
 ロックオンがけげんな顔をする。
「食ったことあるのか。いちご大福って、何だ?」とイアン。
「うーん。これくらいの大きさで」と、両手の親指と人差し指を重ねて輪を作り「甘かったけど、すっぱかった」と言う。
「なんだそりゃ。どんな食い物だ」
「お菓子ですよ。日本の」アレルヤが笑いながら説明した。「生のいちごの周りを甘いフィリングで覆って、更にそれを柔らかい生地で包んだ」
「いちご入りシュークリーム?」
 イメージがつかないらしい。アレルヤはなんと説明したものか悩んだ。
 いちご大福なんて、えらい局地的な菓子だ。だいたい自分たちだって、たまたま極東でのミッション後、東京に集結したところ、ロックオンが言うところの「現地にいったら現地のものを食すツアー」だかに強制参加させられ、寿司だのラーメンだの焼き鳥だのおでんだのにつきあわされた流れで食べたものなのだ。
 何故にその女性がいちご大福を知っているのか、大いにつっこみたいところだ。日本人なのか?
「その菓子とティエリアに、どういう関係があるんだ?」
 ますますわからん、と言ってイアンは首をかしげ、同感だ、とロックオンがうなずく。
「いちご大福・・・柔らかくって甘酸っぱくて、おいしかったですけどね」
 思い出しながらアレルヤがつぶやく。すかさず「お!」とイアンが反応した。
「へえ~、そうくるか」とロックオンも人の悪い笑みを作る。
「何ですか?」
「いや~、『柔らかくって甘酸っぱくて、おいしい』だって。ティエリアってそうなのか」
「若いなあ坊主」
「え?え?」
「お安くないなアレルヤ。のろけか?のろけなのか?俺もきかせてやろうか」
「やめとけロックオン、おじさん赤面しちゃうから」
 大人二人がにやつく。
 自分の言葉が二人に何を連想させたか悟って、アレルヤは首まで真っ赤になった。 
「邪推するなああっ!」どん!とテーブルを叩く。大人たちが高らかに笑った。


 アレルヤとティエリアは、つい先日できあがったばかりのカップルである。


                     


(まったくあの二人は、僕で遊んでるよあれは!!)
 逃げるように早々に食堂を退散して、廊下を移動する。あの二人に自分とティエリアのおつきあいがばれてからというもの、からかわれっぱなしだ。
 刹那とつきあっているロックオンはともかく、常識的な大人であるはずのイアンまでもが男男交際に異を唱えないどころか、生ぬるく見守っちゃってくれているところがもう、
(この船は終わっているよ、ほんとうに・・・)
 それは当事者たる者の台詞ではない。

 
 移動しながら、アレルヤの思考は自然先ほどの会話に戻る。ティエリアのどこがいちご大福を連想させるのか、大いに気になるところだった。
(見た目かな?)
 いちご大福の表面は透明感のあるきめ細かな白い生地で覆われている。色違いで淡いピンク色も売っていた気がする。
 色白で透明感のある肌をしているティエリアに似ていると言えなくもない。ピンク色は、いつも着ているカーディガンの色だし。ありえそうだ。
(質感かな?)
 あのとき食べたいちご大福は柔らかくて、弾力があった記憶がある。
 なるほどティエリアのほおは見た感じ柔らかくて弾力がありそうで、いちご大福を連想してもおかしくない。
 そういえば、とアレルヤは思い出した。和菓子店でいちご大福を買っていたとき、店員に言われたのだ。
「あちらの方、おきれいな肌をなさっていますね。ああいう肌を、もち肌って言うんですよ」
 商品を示しながら言う店員の視線の先には、ティエリアがいたのだった。


 肌、という言葉に、アレルヤが赤くなる。頭に浮かんだうしろめたい連想を、慌てて振り払った。
(あ、味ってことはないよね。そんなの、僕だって知らないし・・・)
 からかうロックオンの言葉が蘇る。
”いや~、『柔らかくって甘酸っぱくて、おいしい』だって。ティエリアってそうなのか”
(完全に邪推してるよ・・・)はあ~、とため息をつく。(だいたい、そんなことありえないっての・・・)
と、がっくりと肩を落とした。


 アレルヤとティエリアは紆余曲折の末、ようやくおつきあいをすることになった。
 ちゃんと告白からスタートして、徐々におつきあいを深めていくのだ。がんばるぞ!と拳を握りしめたのは、約一ヶ月ほど前の事である。
 しかしお互いが恋愛初心者の上、性格上素直になるのが難しい人と、相手の事を考えすぎて思い切った行動のできない人。そううまく事が進むわけがない。
 おつきあいをする前よりも、特にティエリアが関係を意識してしまい、もっとぎくしゃくしてしまって、未だキスすら片手で数えるほどしかできていないのだ。 ロックオンが聞いたら、卒倒するだろう。
 いや、「お前ムッツリかよ!」と、またからかいの種にされるか。
 ロックオンから、男男交際のなんたるかについて(こっちが頼みもしないのに、のろけ9割で)一応のレクチャーを受けさせられたのだが、その知識が生かされるのは、一体いつになることやら。
 はあ~、と再びため息をついて、アレルヤはティエリアの部屋を訪れた。


「何をため息ついているんだ、うっとうしい」
 入った途端これだ。ディスプレイから顔も上げず、端末に向かっているティエリアに、ちょっと文句の一つも言いたくなった。
 そもそも一緒に食事に行こうと誘ったのに、作業に集中したいから、先にすませてくれと言われ、寂しく一人で食堂に行ったところであの二人に合流したというのに。
「まだ終わらないの?先にご飯食べた方がよくない?」
「もうすぐ終わる」
 ティエリアの背中越しにディスプレイをのぞき込む。そこには過去のミッションレコードと、その敵戦力の分析結果へのリンクが一覧表示されている。”analyzed by F”の表示。ソレスタル・ビーイングの下部組織からの、ミッション分析のフィードバックだ。
「こんなもの、どうやって」と問えば、こともなげに「色々とな」と帰ってくる。機密を堂々と手に入れていることを一言ですませてしまう彼に、アレルヤは複雑な気持ちになったが、今更それを持ち出しても仕方がない。アレルヤは話を切り替えることにした。
「そういえば、東京に行ったとき、いちご大福って食べたの、覚えてる?」
「ああ」
「ティエリアの事を考えると、いちご大福を食べたくなる人がいるんだって」
 誰が、とは言わない。しかしティエリアがディスプレイに視線を固定したまま顔をゆがめて「ああ、知ってる。直接言われたからな」と言うのを聞いて、正直に驚いた。
「いつ・・・」直接言われたの、と言いかけ、そのまま言葉を飲み込む。
 ティエリアには、謎の部分が多い。もともとソレスタル・ビーイングの人間は互いのパーソナル・データを公にすることを制限しているが、半年以上行動を共にしていれば、当たり障りのない年齢情報くらい、自然と共有するものだ。
 せめてそれくらい教えてくれてもいいのに、ティエリアは何度聞いても、「必要ない」を繰り返すままだ。つきあってからも。
 以前彼は「実行部隊は組織の全容を知らなくていい」とクリスに言っていたことがある。それはアレルヤもそう思うし、知っているのはせいぜい王留美を中心としたエージェントたちの存在と、どうやらソレスタル・ビーイングは自分が知る以上に複雑な組織で、多様な活動をしているらしい、という事くらいだ。
 でも、ティエリアは多分違う。彼は自分のような単なる兵隊じゃなくて、もう少し俯瞰的な位置にいて、多分外部のメンバーとも会ったことがあるのだろう。
 そしてそれは、自分には関係ないこととして、知らされないことで。
 蚊帳の外におかれることは全然かまわないのだが、恋人が自分の知らない世界を持っていて、それを絶対としていることに、寂しさを感じる。
 つきあっている。恋人同士になった・・・なのに、どうしようもない距離を感じるのは、そういうところだ。
 もっともっと彼を知りたい、近くにありたいと望んでいるのに。


「アレルヤ?」
 背後で黙ってしまった男に、ティエリアがいぶかって声をかける。横着にも目だけで振り向いたのだったが、その目には自分の気持ちを気遣う感情がちゃんと浮かんでいて、アレルヤはこんな小さいことでも嬉しくなってしまう。
 やっと手に入れた想い人。絶対、離したくない・・・と、衝動的に背後からティエリアの首に腕を絡め、肩に頭をもたせかけた。椅子ごと抱え込むような形になる。
「っ・・・!ア、アレルヤ・・・」
 目に見えてティエリアが動揺する。腕の中の身体がこわばっているのが分かった。
「ティエリア・・・」
「ちょ、離せ」ティエリアが身じろぎする。「嫌だ」とアレルヤは珍しくだだをこねた。「僕たち、つきあっているんだから・・・」
「わ、わかっているから・・・でもまだ、いきなりそういうことは」
「ダメなの?」
「だめ、っていうか・・・」目の前の白い肌がみるみる赤く染まっていくのを見て、アレルヤは少し思い切ってみることにした。
「いい?」
 答えも聞かず、柔らかい右ほおに唇を寄せる。
 ちゅ、と軽くキスをする。それから大きく口を開けて、かぷ、と唇でほおの肉をはんだ。
 はむはむはむ・・・と背後からティエリアをほおばるアレルヤに、ティエリアは目に見えて動揺した。
「ア・・、アレルヤ、何を・・・」ティエリアは身をよじる。アレルヤは力に任せて、逃げるのを許さない。唇でほおをはんでいきながら、時折軽く吸い上げてやる。顔にキスマークを残すわけにはいかないので、軽く、ではあるが、透明な皮膚は吸い上げられた血の色で薄く染め上がっていく。
 右側のほおを背後から攻めながら、左手であごを固定し、余裕のある親指で左ほおをなでる。柔らかくて、すべらかだ。
「ほんとうにティエリア、いちご大福みたい。すべすべして、柔らかくて、弾力があって・・・」
 ほおに唇を押しつけたまま話してやると、くすぐったいのか「ん・・・」
と甘い声を聞かせてくれる恋人に、これはチャンスかもしれない、とアレルヤは思う。
 こめかみにキスを落としながら、アレルヤはゆっくりと左手の親指をティエリアの唇に沿わせて往復させる。柔らかくて、熱を持ってる。ここを吸い上げて、蹂躙したい。
「あ・・・」ティエリアがぶるっと震えて、熱い息をついた。

 
「食べてもいい?」
 アレルヤがそう言った途端、ティエリアが固まったかと思うと、次の瞬間にはめちゃくちゃに暴れだした。ぼかぼかぼか、と叩かれる。「痛てて!」思わず拘束する手をゆるめると、そのまま逃げるように椅子から降りて、床の上にへたりと座り込んでしまった。
「ティエリア!?」
「ちょ、ちょっと待て!」
 開いた手のひらが、眼前にずい!と突き出され、ティエリアの顔をのぞき込もうとしたアレルヤはおもわず身を引いた。
 ティエリアは片手でアレルヤを制しながら、ぜーぜー、と息を整えている。顔はそらされて見えないが、首もとが真っ赤だ。
 ロックオンくらいの経験値があれば、照れているだけと分かる可愛い光景だが、恋愛に不慣れなアレルヤはその辺を悟ることができない。むしろ攻めていた男としては、途中で止められたショックは大きく、「拒絶」という単語が脳内をかけめぐった。
「ごめんね、ティエリア・・・強引で」
 ショックにうちひしがれたが、好きな人が嫌なことはしたくない・・・そう思い、力なく身体を離そうとした。
 途端、つきだしていた手が、止めるようにアレルヤのシャツを捕まえる。
「ちょっと待て、と言っている・・・」
 ティエリアはシャツを捕まえたまま動かない。とりあえず、拒否された訳ではないらしいと判断して、次の言葉を待った。
 ところが中々次の言葉が出てこない。真っ赤な顔でぱくぱくと何か言いたそうにしては、目を合わせるとうつむいてしまう。
 どうもこれは照れているだけのようだが・・・とアレルヤはだんだん冷静になってきた。
(いくら恋愛に慣れていないって言っても、これはちょっとひどすぎじゃないかな)と嘆息する。
 攻めていたところを突然ぶった切られた、男の怒りもある。照れている姿が可愛いとは言っても、アレルヤにそれを楽しんだり、逆手に取っていじめてやるという余裕はまだない。
 これはもしかして、ちょっと強引に行った方がいいのかもしれない。自分のシャツを握るティエリアの手を掴むと、力任せに引き寄せ、抱きしめた。
「あっ・・・」
「ティエリアは、僕とこうするの嫌いなの」
「嫌じゃない!」
 腕の中から、力強く反論される。それはよかった。
「それじゃ、食べてもいいんでしょ」唇を、と心の中でつぶやく。
「それは、困る・・・その、キスなら・・・なんとか」
「へ?」
 間抜けな返事をしてしまう。と同時に、「食べる」からティエリアが何を連想したのか分かってしまい、アレルヤはうれしさよりも先に気が抜けてしまった。
(そんな高レベルのところまで、今は期待していないって)
 ふー、と大きく息を吐き出し、苦笑いする。腕の中のティエリアが、不満げに顔を上げた。
(なんだかいばらの道を選んじゃったなあ。でも)
 見上げてくる恋人の顔を見ながら、しみじみと我が身の不憫さを思う。子どもっぽいとは思っていたが、ここまで幼いとは思わなかった。
(そこも可愛いって言ったら、末期か・・・)
 とりあえず、本人が良いって言ったんだから、と、軽くキスを落とす。今度はティエリアがちゃんと目をつぶってくれたので、もう少し深いキスに変えた。
(一応その先も考えてくれているようだし・・・)
 彼を味わうことができるのは、もっと先になりそうだ、と思いながら、アレルヤはキスを深めていった。



 end

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