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00の世界を借りて、いろいろ書き散らしています
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 14話派生話第2弾です。
 
 一部、「祭の後(11話派生)」エピソードがからんでます。頭の中で世界を独立させられないばかりに・・・。不親切で大変申し訳ありません。
 ていうか、平身低頭?

 本編の雰囲気を全く無視した、明るいアレルヤと、デレデレティエリアのお話。



 僕のだいじなあおいほし



 僕のだいじなあおいほし



「俺もここに残る」
 そう主張するティエリアを説得して、地上に降ろしたのは、他ならぬ彼の恋人、アレルヤだった。
『ケンカでもしたのか?』
 ディスプレイの向こうで、ロックオンがのんびりと問う。アレルヤは苦笑して、そんなことありませんよ、と答えた。アレルヤは今、ソレスタル・ビーイングの宇宙ドッグにおり、プトレマイオスのブリッジでロックオンと通信中だ。今現在、トレミーに残っているのはイアンとアレルヤの二人だけ。後は全員、地上に降りている。長い宇宙生活に適応仕切れない人体と精神のリフレッシュのためだ。


 プトレマイオスがドックに入ってメンテナンスと補給をすませる間、イアンと一緒に僕も残ります、と申し出たのはアレルヤの方だった。地上に降り休暇を得られる喜びに沸き立つ一部のクルーをよそに、スメラギは
「いいの?あなただって、休暇は必要よ」
と気遣った。
「いいんですよ。僕は頑丈に作られていますからね。地上に降りなくても、身体機能は低下しないんです。メンタルだって。もってこいでしょ」とアレルヤは笑ってみせた。
「別に俺に気を遣わなくてもいいんだぞー、若いんだから、おねーちゃんの水着でもじっくりおがんでこいよ。俺も行きたいくらいだぞ。そうだ、写真撮ってこい」
「やーね、オヤジ」クリスがべー、と舌を出す。
「本当に大丈夫、残りますよ。手伝わせてください」
 アレルヤはそう言いながら、ちらりと壁際のティエリアを見やる。一瞬目が合ったが、つい、と逸らされてしまう。あ、ご機嫌そこねちゃったな、と思った。


「君が残るなんて、俺は聞いてない」
 夕食後、アレルヤの部屋に二人で引き上げてきたと同時に、ティエリアは切り出した。ブリッジでの件以来、口もきかず「私は今、機嫌がとっても悪いんです!」と看板をしょっていたが、とりあえず二人になるまで言いたいことを我慢したのだろう。進歩したなあ、とアレルヤはのんびり考えた。
「勝手に一人で決めて」
「うん、ごめんねティエリア。でもイアン一人っていうのは大変だし、寂しいかなって思って」
 本当は他にも理由があったのだが、それはあえて言わないでおく。
「寂しいっていうなら・・・」
 そこでティエリアは口をつぐむ。
「寂しいっていうなら?」
「・・・別に、なんでもない。君がいなくたって平気だ。ひとりで、のんびりするさ」
 言ってしまってから、ティエリアは顔をゆがめる。似たような言葉をきっかけに、くだらない言い争いになったことを思い出したのだろう。対するアレルヤの方は余裕で、「またそういう事を言う。この口は」などと言って、ティエリアの両ほおをつまんで、軽く引っ張った。
「いはい」
「いはくない。そういうの、僕は傷つくんだって」
 すっとアレルヤは真顔になる。
「・・・僕は寂しいよ。ティエリア。本当は、降りて欲しくない」
 ほおを掴んでいた手を離す。ティエリアは赤くなった。
「だったら一緒に行けばいい」
「だからね」
「それじゃ、俺もここに残る。それでいいだろ。もともと地上は嫌いだし、うるさいクルーもいないし」
「それは、だめ」
 強い言葉でアレルヤは制した。珍しく有無を言わせない強い口調だが、ティエリアには通じない。
「どうして」
「どうしてって、君ね」と言い、アレルヤは、ティエリアの上腕をひょい、とつまみあげた。
「ひょろい・・・.」と嘆息する。
「君がムキムキなだけだ!!」
「顔色も悪い」
「もともとだ」
「ちがうよ」
 自分だってマイスターとしてトレーニングを積んでいるし、それほど筋力がないわけじゃない。人革連のろ獲作戦からこっち、コンディションが悪かったのは認めるが、超人として強化されたアレルヤに比べれば、自分がひょろいのは仕方ないだろう、顔色はもともとだ!とティエリアは心の中で毒づいた。 
 上腕をわざとなで続けながら、アレルヤは言い聞かせた。
「あのねティエリア。いくらナノマシンがあるからって、人間って重力がないと、筋力は徐々に落ちていくんだよ。地上に降りるのは、ちゃんと意味がある。身体のためなんだよ。心もね」
「そんなこと分かってる!」
 ティエリアは叫んだ。分かっているのだ。アレルヤが自分の身体を気遣って、そう言ってくれていることは。でも、近くにいないと寂しい。それが本音だ。
 素直に伝えられたら、彼は行かなくていいと言ってくれるだろうか。アレルヤの目を見る。穏やかで優しい。ティエリアは泣きたくなった。この目を見られないのは嫌だ。
 その間にも、アレルヤの大きな手はティエリアの上腕を掴み、なで上げてくる。熱が腕から全身にまわって、背中がむずむずした。こんな甘いことしておいて、この男は厳しく突き放す。いじわるだ。
「はなせ・・・」
 力なく言う。アレルヤはすぐに手を離した。ティエリアはうつむいてしまう。
 こんなはずじゃなかった。こいつといると、情けない自分ばかりが出てきてしまう。弱くて、動揺して、余裕がなくて・・・でも、側にいるとうれしい。素直には、出せないけれど。
 そんなティエリアの様子を見ていたアレルヤだったが、ふいにふわりと、ティエリアを抱き込む。ティエリアは抵抗せず、腕の中に収まった。
「アレルヤ・・・」 
「ほんとうにもう・・・君は、どうしてそんなに・・・」
 ティエリアの髪にアレルヤは顔を埋める。すりすりすり・・・と鼻をこすりつけ、恋人のにおいをめいっぱい深呼吸して吸い込んだところで、ぴたりと動きを止めた。
「?・・・アレルヤ?」
「ティエリア」
「なんだ」


「そんなに一緒に居たいなら、今ここで犯しちまうぞ」


 ばっ!とティエリアが身体を離した。そのまま銃を引き抜こうとするのを「わわわ、待って待って!!」と、ホールドアップする。
「なんだ今のは!」よほど身の危険を感じたんだろうか。ティエリアがパニックになっている。自分に向けられた銃に引きつりながら、アレルヤはホールドアップのまま答えた。
「・・・と、僕の内なる本音が言っております」


『なににやついてんだよ』
「いえ、別に」笑うアレルヤに、ロックオンはため息をついた。
『いいね~そちらさんは。こっちなんて、刹那は黙って東京に行っちまうし、ラッセやリヒテンダールはどっか女の子ひっかけに行こうってもう、うるさくてさ』
「でもロックオンも、行きたいところには行けたんですよね」
『ん・・・まあな』
「・・・」
 思うところがあるのだろう。ロックオンが沈黙するに任せて、アレルヤも黙った。
 ふいに電子音がして、通信が届く。
「あ、すみませんロックオン、ティエリアから通信。切りますね」
『おいおいお』
 ぶち、と強制的に切断されたロックオンの通信といれかわりに、ディスプレイにはティエリアの顔が映し出される。二人で決めた通信の時間だから、アレルヤはわざわざブリッジに座っていたのだ。そこにたまたま通信したのが、ロックオンの不幸である。
 ティエリアと会話しながら、アレルヤは顔色をチェックする。やっぱり地上だと、血色がいい。ほおもばらいろだし、唇も艶がある。食事もちゃんとできているのだろう。
 通信を終えると、正面スクリーンを操作して、地球にチャンネルを合わせる。月軌道の内側にあるラグランジュ1からは、漆黒の闇に青い球が浮かぶ姿が見える。
 あの中に、ティエリアがいる。
 そう思うと、なおさらあの星がいとおしく見えて来る。寂しさをこらえて、彼を一人地上に行かせてよかった。毎日こんな気持ちが味わえる。
(どっちかっていうと、会えなくて切ないと思うんだが・・・マゾだよなあ)
 内なる声にはあえて耳をかたむけず、機嫌良くアレルヤは地球をながめ続けた。




 end

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